夏のいけばなのお稽古で初めて目にした花、ひおうぎ。
鮮やかなオレンジ色の花弁に、これまた鮮やかな赤色の斑点が入った、ちょっと毒々しいともいえる見た目。かなり強烈な印象が残りました。
真夏は暑さもあってか、お稽古できる花材、とりわけ花の咲くものの種類が極端に減るように思います。はらん(葉蘭)のような葉物のほうが手に入りやすいような。
そんなこともあり、お盆の頃のお稽古といえばひおうぎ、ひおうぎといえばお盆、のイメージが定着しました。実際のところ、お盆の時期に床の間に飾ることができ、ある程度(とはいっても短いけれど)日持ちする貴重な花材のひとつなんだそう。
花は一日で終わり、次から次へと咲いていくのが特徴。
クルクルとねじれ、濃いオレンジ色をしたものが終わった花です。数日以内にポロポロと落ちていきます。
池坊では、はらんと同じ生け方で一種生けにします。毎年必ず習うのに、なぜか教本には載っていない不思議な花材なのであります。
夫がお稽古で習ったものですが、生け直さずに花びんに入れてしまいました。汗
萎れた花を取り除いてスッキリ。
ちょっと調べてみたところ、ひおうぎはアヤメの仲間なんだそう。そういわれれば、葉がアイリスのそれに似ています。
ひおうぎは茎の部分が太いけれど強くなく、切り口からぐずぐずとやわらかくなり、茶色に変色していきます。異臭も出て水が濁るので毎日水を替え、少しずつ丈を短くして手入れをしました。
結果、お稽古から一週間ほど経ちますが茎や葉は元気を保ち、写真にあるつぼみはほぼすべて咲きました。今、最後の数輪が咲き、終わろうとしてるところです。
落ちた花を拾ったり、こまめに水を替えて切り口を新しくして…と少しだけ手間のかかるひおうぎでしたが、この一週間は部屋が明るくなり、みずみずしい緑色がとても美しかったです。
やっぱり花のある生活っていいなぁ。(´ω`*)