
昨年、これから家を建てるという親戚が家の見学に訪れたり、友人に注文住宅を建てるにあたっての相談を受けたり、といったことがありました。
その際、どんなことをアドバイスできるかな、どんな話が役に立つかな、と考えた結果、「そういえば家を建てると決めた当時、知らないことだらけだったから本を読んでいた!」ということを思い出しました。
土地や中古住宅といった不動産情報はインターネットで集めていましたが、家を建てることに決めてからは何冊か本を見たり、読んだりもしていたのです。
で、そのなかの 4 冊の書籍がとても役に立ったので友人に紹介。
そういえば今まで具体的な情報源についてはあまり触れてこなかったし、これらの本についてはこのブログでも紹介するのがいいのでは?とふと思ったのです。
ということで、どの本が良かったのか、どうしてその本が良かったのか、ということをまとめました。
家づくりのための情報が欲しい!と思っている誰かの役に立てれば幸いです。
“したい生活”をイメージするのに役立った「最高にハッピーな間取り」
「家を建てる!」「こんな家が欲しい!」となったとき、「こういうリビングに住みたい」「こんなキッチンが使いやすそう」と、部屋についてはイメージがしやすいと思うのです。少なくともわたくしはそうでした。
しかし、家全体となると具体的なイメージが湧かないといいましょうか、まとまらないといいましょうか、全体像がとてもぼんやり、ふんわりしてしまって悩みました。
そこで参考になったのがこちらの本。「最高にハッピーな間取り」です。

早く家に帰りたくなる!最高にハッピーな間取り [ タブチ キヨシ ]
この書籍は Instagram で知りました。著者がインスタでアップしていた間取りを目にしたのがきっかけです。
ただ間取りをアップしているわけではなく、家族構成やどんな暮らしの人たちなのか、といった前提条件があり、それを叶える間取りがたくさん並んでいたのです。
このとき初めて、今までの「間取りに人が合わせる」という考え方から、生活スタイルに間取りを合わせる、という考えがストンと腑に落ちました。
これまで実家や賃貸といった、すでに完成された間取りの中でしか暮らしたことがなかったので、「間取りというものは融通が利かない」「間取りにはある程度決まりがある」という固定概念がわたくしの中にあったのですね。
ですので、何よりもまず自分たちの理想の暮らしを具体的に考えることにしたのです。
「この間取りのココがいいな」「この部分は取り入れてみたい」など参考になりました。
考えることに詰まってしまっても、気分転換にこの本を眺めているだけでもなんだか楽しくて心が軽くなったこともよく覚えています。
さらに踏み込んで間取りについて理解を深めた「間取りの方程式」
ある程度イメージが具体的になり、夫が間取りを描きだすようになってからは「これは本当に実現できるのだろうか?」「知識がないから、何か重大な過ちを犯していないだろうか」といったことが気になるようになりました。
法律も関係してきますから、知っておいたほうがいいことだってあるはず。そこで役に立ったのが「間取りの方程式」という本です。

間取りの方程式 心地よい住まいを組み立てる技術 [ 飯塚豊 ]
理想の間取りを描くために、どこから手を付けたらよいのか、どのようなことに配慮すればよいのか、そのあたりがとても具体的に解説されているのです。
本に書いてなければ気づかなかったであろう採光の手法、段差や水回りの考え方、借景という言葉など、「なるほど!」がたくさん詰まっていました。
何より、著者はとても頭の良い方のようで、とても軽快でユーモラスに、少しシュールなイラストで分かりやすい内容となっているので、わたくしでもスイスイ読んで理解することができたのでした。そしてこのシリーズにはまっていくのです。笑
お次は部屋について細かく考えたいから「住まいの解剖図鑑」
間取りについてある程度理解ができたら、次は部屋の中やそれに付随するパーツについて知りたくなりました。
そこで役に立ったのが「住まいの解剖図鑑」という本です。

住まいの解剖図鑑 心地よい住宅を設計する仕組み [ 増田奏 ]
例えば寝室。ベッドの置き方ひとつとっても、実に奥が深いのです。
壁に寄せてしまうと不都合な点がいくつかあるなんて忘れていましたね。たしかに子供の頃は不便に感じていたことがありました。
配置やベッドサイズの目安だけでなく、ベッドに側面から入るためには最低 45cm, ベッドメイキングに必要な幅は最低 30cm など、具体的な数値がとにかく明確に書かれています。
わたくし、具体的な数値というものが苦手でまったくイメージできなかったので、これは本当に助かりました。
キッチンについても、シンクやコンロの並びを決めるためにはどのように考えたらよいのか、冷蔵庫の配置について考慮すべきことなど、快適に住むためにはどうしたらよいかを決めるヒントがたくさん詰まっています。
ほかにも、ドアや庇(ひさし)、軒下(のきした)など、見落としていた機能についても丁寧に仕組みや考え方が書かれているので、とても勉強になりました。
そして最も役に立った本はこれ「片付けの解剖図鑑」
で、今回もっともイチオシの本はこれ。「片付けの解剖図鑑」です。

片づけの解剖図鑑 心地よい住まいをつくりだす仕組み [ 鈴木信弘 ]
何の役に立ったのかといえば、ズバリ納戸の設計!です。
わが家の納戸は、冬用(もしくは夏用)寝具、スーツケース数個、食品、酒類、ストックの食器や調理器具、衣類、服飾雑貨、資源ごみの仮置き場と、ありとあらゆるものを集約させています。
そこで必要になるのは適切なスペース。「いったいどのくらいの広さを確保すればよいのか?」ということです。
- 食品を収納する棚の適切な奥行き、分かりますか?
- 季節ものの収納スペース、どのくらい確保すればよいか見当がつきますか?
- どのくらいの長さのポールがあれば無理なく家族分の洋服をかけられるか、分かりますか?
わたくしはいずれも思い悩んでいましたが、この本がすべてを解決してくれました!…何かの宣伝のようですが、本当です。
ほかにも、これはいいアイデア、取り入れたい!というものがいくつもありました。当然ながら間取りの都合上、すべてを採用することはできませんでしたが。
わが家の収納の要である納戸の設計に最も貢献してくれたこちらの本ですが、そもそも「なぜ片付かないのか?」という問題を建築家の視点から解説しているのも素敵です。
掃除や収納方法といった家事ベースの話とはまったく違うので、物事を別の角度からも見てみるというのは大切なことだとあらためて感じました。
おすすめの書籍は以上になります。ヽ(・∀・)ノ
何度か似たようなことを書いている気もしますが、家づくりには数学のように決まった答えはありません。ある程度まではヒントをもらえますが、最終的に答えを出すのは自分たちです。
熟考したわれわれでも、住んでみてから分かること、こうしたほうが良かったね、ということはあります。収納については、多ければ多いだけ安心感があるのも分かります。
でも、収納だけでなく、すべてにおいて「適量」「適切」「ほどほど」があると思うのです。そんな、家づくりにおいての「自分たちにとっての、いい塩梅」を掴むためにも、いろんな情報にふれて、いろんなことを検討するのがよいのではと思います。
それでは◎