シチリア旅行のインデックスはこちらからどうぞ。
旅先で出会った、魅力的なシチリアの人たちをご紹介、後編です。
載せきれなかった写真とともに、どうぞ。
マルサラのリストランテオーナーとウェイターの青年
マルサラに到着し、雨やら駐車場問題やらでぐったり疲れていた夜に訪れたお店。
客が少なく、すみれ色のファブリックで統一された店内に一瞬怪しさを覚えたものの、次のお店を探す気力もないわれわれは覚悟を決めて料理を注文することにしました。
色合いが印象的なお店を取り仕切っていたのは、ファブリックと同じすみれ色のスーツを着こなす、品のよさそうなおじいさん。
あしたのジョーの丹下段平を細くしてダンディーにしてイケメンにして歳を取らせたような風貌。話してみるとそれがまたなんとてもキャラの濃いお方で、わたくしのツボにどっぷりハマりまして。
不安視していた料理はとてもおいしく、特にカポナータの味わいと、料理から伝わってくる温かさの虜となったわたくし。第一印象はどこへやら、とにかくお店が気に入ってしまったわれわれは、翌日の夜再びお店へ。
2 日目のオーナーの服はすみれ色ではありませんでしたが、頂いたお店の名刺はすみれ色が基調。すみれ色、好きなのかな…。
で、もうひとつ特筆すべきはそこで働く若いウェイター。はにかむ笑顔にわれわれのほうが照れてしまうような純朴な好青年でして。
英語がまったく話せないのでジェスチャーで意思を伝え、彼のサービスを受けてという流れのなか、彼のピュアで真面目な “気” のようなものがもうダダ漏れで感じられるのです。
ああ、このまま穢れを知らずにいておくれ、などと思ったわたくし。歳を取ったなぁ。┐(´-`)┌
あ!そしてまだ料理についてワインブログにアップできておらず…。早くまとめないとだ。
とにかく、このふたりがいる、このお店のためだけにマルサラへ再び!と願うくらいにはお気に入りとなりました。
マルサラの日本カルチャー好きなウェイター
マルサラで「ドンナフガータ」というワイナリーを午前に見学 & 試飲したあと、街に戻ってお昼を食べたお店で働いていた若いお兄ちゃん。
パンキッシュな身なりをしたお兄ちゃんのほうから「日本人ですか?」と。そうです、と答えるとぱあぁっと笑顔になり、いかに日本が、もっと言えば日本のカルチャーが大好きなのかを熱く語ってくれました。
ここで少し書きましたので補足しますと、ほかにも北斗の拳のイベントをイタリアで催したという話も聞きました(詳細失念)。どうやら、そういう系(どういう系?)のお仕事もされているよう。日本カルチャーに対する並々ならぬ愛を感じました。
彼のノリは A 氏に近いものがありましたが、ワールドワイドなお仕事をされている分、こちらのお兄ちゃんのほうがエネルギッシュな雰囲気でございました。
それにしても、そこいらの日本人よりも日本の文化を愛してくれてありがとう、と伝えたかったのに、「ありがとう」としか言えなかった。残念すぎる会話力。
ホテルイタリアのマダム
シチリアでは男女問わず喫煙率がとても高いように感じました。年代が上がると、さらに。特に年配の女性が歩きタバコをしている姿が印象的でした。
どの女性もなんだか「かっこいい」んですよ。ほんとに。日本人女性では出せないであろう、迫力や凄み、年季の入り方がありました。
そんなシチリア女性の中でわたくしのツボだったのが、パレルモで宿泊したホテルイタリアのマダムです。
あの峰富士子が歳をとったらこうなるだろうな、という色気のある容姿、なんともいえない気だるい雰囲気を身にまとっていたマダム。これまたよくタバコが似合っていたなぁ。
そして英語がほとんど話せず、イタリア語でぐいぐいくるところもツボでした。ゴーイングマイウェイ。
タオルミーナの女性陶芸家
良くいえば素朴でへたうま、悪くいえば田舎っぽくてがさつだな、と思ったシチリアの陶器。白がベースの陽気な色合いとざっくりとした作りは好きなのですが、どうもわが家のテイストに合わせづらく。
でもせっかくシチリアに来たのだから、見た目のよい小さな陶器でもないかしら…と思っていたら、素敵なお店をタオルミーナの通りで発見。これまで見てきた陶器屋さんとは一味異なる、シンプルな店構え。(基本的に陶器屋さんはカラフルな商品が所狭しと並べられています。)
お店に入ると、ショートカットで男性のようなキリッとした雰囲気の女性がなにやらレジで作業中。どうやら、このお店に並ぶ陶器を作っているご本人のもよう。
作品はシチリアの伝統を残しながらも、やや前衛的な、そしてやわらかな絵や色合いの女性らしい作風。これならわが家でも使えそうと思い、自分たち用にはレモンの絵が描かれた蓋付きの陶器をチョイス。
店内をくまなく見ていると、妹が好きそうな星の形をしたエメラルドグリーンのオーナメントを発見。ところが、そのオーナメントは紐を通す穴が釉薬で塞がっていることに気付きました。
そこで女性に「ここ…」というジェスチャーで見せたところ、「OK」とぐりぐりハサミで穴をこじあけはじめまして。なんだか嫌な予感が…帰国してから自分たちで開けようか…とおろおろしていると案の定「メキッ」という音が。
あああ~!
彼女の作品は繊細かと思って見ていましたが、根本はやはりざっくりとしているのかも…と思った次第です。笑
オーナメントは同じものがなく、購入を断念。それにしても、素敵な作品が勢揃いのお店でした。(´ω`*)

photo by 夫
移動販売車でジェラートやジュースを売る渋くてかっこいいおじさん
若い頃はモデルでもされてました?というくらい、イケメンなおじさん。ジ◯ーラモを逞しくしてワイルドにした感じです。
最初、遠目に見たときはいかつくて怖そうな人のお店だな~と思ったわたくし。ところが、常連らしきお客さんが連れている大きな犬に牛乳を飲ませている姿が目にとまり、それがとても優しく温かい光景で気になりまして。
近づいてみたら生搾りジュースがおいしそうなお店。夫におねだりして注文すると、半分にカットされたオレンジをいくつもいくつも機械で搾って、あっという間にオレンジ 100% のジュースの出来上がり! 2€ だったかな。
これがまた砂糖も入れていないのに濃厚な甘さで、「採りたてですか?」と聞きたくなるような新鮮なおいしさ。日本のみかんや輸入オレンジで搾ってもここまでの味は出ないだろうな。
期待を裏切るおいしさで一瞬のうちに飲み切り。一番小さなサイズを買ったので、もう少し大きなサイズにすればよかった、と後悔。
翌日同じところを通った際、もう一度購入して大満足。あんなにおいしいフレッシュジュース、日本でも飲めたらいいのに。

photo by 夫
エトナのワインショップのお姉さん
あるワインが買いたくて訪れた、エトナのワインショップ。シチリアのワインなのに、シチリアでも取り扱っているお店が少ないという、希少なワイン。
そんなワインを置くお店で働くお姉さんは短めの髪に強くウェーブをかけた、いわゆるソバージュがよく似合う綺麗な女性でした。
シチリアワインの魅力をたくさん教えてくれたお姉さんはとても親切にリストランテまで案内してくれました。詳細はこちらの記事をご参照。
そういえば、お店で試させてもらったオリーブオイルも美味でした。いつかまた、あのお姉さんのいるあのお店に行きたいものです。
人が良すぎなフィリアートの女性スタッフ
今回の旅の目的のひとつ、ワイナリーを見学して宿泊すること、のために選んだのは「フィリアート」というワイナリー。日本では今のところカルディがこちらのワインを輸入・販売しています。
そのフィリアートにて、醸造などの施設見学からテイスティング、ワインの販売、果ては朝食の準備や片付けまでを一手に引き受けていたお姉さん。
施設の見学は 18:00 頃からのスタート、テイスティングは 22:00 すぎまで、朝食は 7:00 台からなので、残業や早朝にあたる時間帯のお仕事をずーっとひとりでこなしていました。
ブラック企業なの?と勘繰りたくなるような、はたまた人が良くて断れなくて全ての仕事にイエスと言ってしまう人なのか心配になるほどの腰の低さと働きっぷり。
まあ、今日はたまたま人数が多いのよ(見学と宿泊 6 名、途中から 2 名飛び入り、われわれ含む)というお話でしたが。
シチリアではマイペースに仕事をする人が多いように感じられる中、お姉さんは日本人の接客に近いものがありました。笑顔を絶やさず、裏ではパタパタと走り回り。
パッと見た感じは 20 台半ばくらい、小さな背とぽちゃっとした体形が可愛らしい「メガネ女子」でした。
労いと感謝の意を込めて、日本から持参していたわさび味のスナック菓子(小袋になっているもの)を渡したところ「ワサビ味大好きなの!ありがとう!」と満面の笑みで喜んでくれまして、われわれもとても嬉しかったです。
お姉さん、今日も元気に働いているのかなぁ。
* * * * *
思い出すと、またシチリアへ旅したくなってしまうので困りものです。笑
そういえば、概して男性の方が愛想が良かったように思います。話をしていても笑顔を絶やさず、態度もやわらかく。女性のわたくしに対してだけでなく、夫に対してもそうでした。シチリアでは女性のほうが強くて怖いのかな?σ(゚・゚*)
ただし、ここに登場した女性はみな素敵な笑顔で物腰柔らかだったことを付け加えておきます(ホテルイタリアのマダムを除く。笑)。
旅の話はもう少しだけ続きます。シチリアで利用した施設や旅行代金についてまとめたいと思います。