[旧ブログ “うつくしきものたち。” 過去記事]
久しぶりに、木物(きもの)を使った立花(りっか)のお稽古をしています。
木物というのは、枝ぶりを見極めて
その素材が持つ美しさを引き出すのがとても難しいのです。
写真は先生の手直し後の完成された作品。
真(しん)の枝(一番背が高い枝のこと)の
なつはぜの扱いに、毎度ながら惚れ惚れしてしまいました。
最初はもっとそっけない、直立に近いような枝で、
葉もばさばさと音を立てそうなくらいたくさんついて
とても美しいとはいえない姿をしていました。
先生はその枝をいろんな角度から眺め、
余分な枝や葉を慎重に落とし、
幹を丁寧に撓め(ため)、
葉のついた小枝を一本一本起こし、
(こうすると、葉っぱが息を吹き返したようにいきいきとしてくる)
そうしたこまやかな作業を繰り返して、
写真のような作品へとつながっていくというわけです。
わたしの仕上げたものは、なんだか雑然としていて、
丁寧な繊細さが欠けているなぁ、まだまだ魔法使いの弟子だなぁ、と、
先生の手直しの様子をみながらため息です。
それにしても、出来上がったなつはぜの枝の曲線の美しいこと!
そして、葉っぱも自然で、いきいきと美しいこと!
わたしもこんな風に花が持つ絶対的な美しさを引き出せるようになりたい…。
来月のお稽古も頑張ろっと。
そんなわけで、ではではまた◎
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※この記事は 2012/07/16 に旧ブログにて「魔法の手」のタイトルで
アップしていたものを加筆・修正して再アップしたものです。