いつからかは忘れましたが、フェルメールの絵が好きです。
静かなのに目を引く絵の数々、緻密に計算された美しさ、現存する作品が 30 数枚と少ない謎の画家、そんな印象を持っています。
東京と大阪でフェルメール展が開かれる!と知ったものの、東京での混雑ぶりが相当なものだったようなので、大阪展へ行くことにしました。
日本初公開の「取り持ち女」など、フェルメールの絵が 6 枚観られます
大阪で観られるフェルメールの絵は 6 枚(ちなみに東京は 9 枚でした)。
その中で一番これが好きだ!これを観られてよかった!と思ったのは「手紙を書く婦人と召使い」です。
召使いと婦人から感じる温度差、そんな感情の温度差を窺えるほどの描写の緻密さ、カーテンなどの脇役まで美しく描かれているところなどがとても好きです。
実際にあった様子かどうかは別としても、いろんなことを想像させる絵だなぁと感心します。
こんなにも観る側の想像力をかき立てる絵もなかなかないのではと。
例えば抽象画は作者の意図を汲み取ろうとして想像力を働かせますし、もちろんフェルメールの絵にもそういった側面はあります。
でもその一方で彼の絵は、キャンバスの中で起こっているストーリーを、観る者がまるで脚本家になったかのように思い描いてしまうところが面白いなと思います。
フェルメール以外の絵画もたくさんありました
フェルメールの絵は会場の最後にまとめて展示されています。
お客さんが会場の半ばほどでフェルメールの絵がない!とぶつぶつおっしゃっているのを耳にしましたのでご注意を。笑
一枚、とても印象に残っていた絵がありまして、それはヤン・ウェーニクスというオランダの画家が描いた「野ウサギと狩りの獲物」という作品です。
大きなキャンバスに描かれた、息絶えた野ウサギがそれはそれはリアルで、本物の毛を貼ってあるのかしらと思ったほど。
リアルさとおどろおどろしさの中に、なんだか妖艶な美しさを感じました。
一輪咲いた赤い花がその美しさに輪をかけていたような、そんな印象を受けました。
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残りの会期が短くなってきましたが、興味があればぜひ。
フェルメール展の開催情報
会場 : 大阪市立美術館 (Google マップ)
会期 : 2019.02.16(Sat) – 2019.05.12(Sun)
開館時間 : 9:30 – 17:00
入場料 : 1,800 円(当日/一般)